いよいよ秋のレースシーズンも後半に突入しましたね。僕自身のレースも近づいてきて、日々緊張感が増しております。今回は、そんなレースに向けた重要な準備のひとつ「カーボローディング」について解説していきます。
レースでベストパフォーマンスを発揮するには、日々の練習が最も重要です。しかし、レース直前の体調管理も同じくらい大切。その中でカーボローディングは、体調を最適な状態に持っていくための重要なプロセスの一つです。
目次
レースでのパフォーマンスの考え方
普段の練習では、自分の能力の最大値を高めることが目的です。インターバル走、テンポ走、ロングランといったトレーニングは、持久力やスピードを向上させるために行います。一般的に、本命レースの2週間前までは、こうした強度の高いトレーニングを継続すると良いとされています。
しかし、レースが近づくにつれ、練習の目的は「いかに自分のパフォーマンスを最大限発揮できる状態にするか」へとシフトします。
パフォーマンスの計算式
簡単に言うと、
持っている能力 – 抱えている疲労 = その時に出せるパフォーマンス
となります。
どれだけ能力を高めても、疲労が残っていると最大のパフォーマンスは発揮できません。そのため、レースに向けての2週間は疲労を抜く期間となります。
カーボローディングとは?
カーボ(Carbo)は「カーボハイドレート(炭水化物)」の略、ローディング(Loading)は「積み上げる・貯める」という意味。つまり、カーボローディングとは「糖質を体内に蓄える」ことを指します。
人間の身体は、糖質または脂質をエネルギー源として利用します。そのうち糖質は体内に貯蔵できる量が限られており、約1500~2000kcal程度。しかし、糖質は脂質よりもエネルギー変換のスピードが速く、マラソン中の即効性のあるエネルギー源として重要です。
フルマラソンでは2500kcal以上消費することが一般的なため、糖質をできるだけ蓄えておくことが必須。加えて、脂質代謝能力を向上させることで、糖質切れのリスクを減らすことも大切です。
カーボローディングの具体的な方法
いつから始める?
カーボローディングを始めるタイミングは、レースの2~3日前。昔は1週間前から行う方法もありましたが、現在では長期間のカーボローディングは内臓への負担や精神的なストレスを増大させることが分かっています。そのため、レースが日曜日なら木曜日または金曜日から始めるのが理想的です。
いつまで続ける?
カーボローディングはレース前日の昼食までで終了します。これは、摂取した糖質が体内でグリコーゲンとして貯蔵されるのに約18時間かかるためです。
レース当日の朝に大量に糖質を摂取しても、消化されずに腸内に残り、腹痛や不快感を引き起こす可能性があります。前日の夜や当日の朝は、消化の良いものを適量食べることが重要です。
何を食べるべきか?
おすすめの食品(高糖質・低脂質)
- 主食:白米、パン、パスタ、もち、イモ類
- 肉類:鶏ささみ、牛もも肉、豚ヒレ肉
- 魚類:タラ、カツオ、マグロ、イカ、エビ
- 果物:バナナ、リンゴなど
避けるべき食品(脂質・繊維質が多いもの)
- 繊維質が多い野菜(レース前の3日間は控えめに)
- 小麦を含む食品(パンや玄米など)
- 油分の多い食品(揚げ物や焼肉など)
食べる量の目安
カーボローディング期間中に食事量を大幅に増やす必要はありません。
目安として、通常の食事にプラス茶碗1杯分のご飯を加える程度で十分です。
糖質の摂取量としては、1日あたり+200kcal程度を意識すると良いでしょう。
レース前日・当日の食事
前日の夜や当日の朝は、消化に良いものを適量食べることが重要です。
レース当日の朝、満腹にする必要はありませんが、何も食べずにスタートすると空腹で不安になることもあります。自分にとって精神的に安心できる食事を心がけましょう。
まとめ
【カーボローディングのポイント】
- 開始時期:レース3日前から
- 食事内容:高糖質・低脂質
- 終了時期:レース前日昼まで
- 前日夜・当日の朝:消化の良いものを適量
カーボローディングは、単なる糖質のドカ食いではなく、計画的にエネルギーを蓄えるための戦略です。レース当日に最高のパフォーマンスを発揮できるよう、適切なカーボローディングを実践しましょう!
こちらのブログの内容を動画で学びたい方はこちらからご覧ください。
コメント