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調子が悪いときの原因と対処法
ランニングを続けていると、誰しも一度は「なんか調子が悪いな……」と感じたことがあるのではないでしょうか?
同じトレーニングメニューをこなしているはずなのに、妙にきつく感じる。すぐに息が上がる。以前はできていたペースが維持できない。
こうした不調を感じたとき、多くのランナーは「調子が悪い」「コンディションが整っていない」と表現します。
では、こういった不調が起こる原因は何でしょうか? そして、その対処法は?
今回は、ランナーが陥りやすい5つの疲労の種類と、それぞれの解決策について詳しく解説していきます。
なぜ調子が悪くなるのか?
結論から言うと、調子が悪いと感じる最大の原因は「疲労の蓄積」です。ただし、一口に「疲労」といっても、その種類はさまざま。どのタイプの疲労が蓄積しているかによって、適切な対処法も変わってきます。
疲労は主に以下の5つに分類されます。
- 筋損傷による疲労(筋肉痛や張り)
- 生体恒常性の乱れによる疲労(体温調節や脱水によるもの)
- エネルギー枯渇による疲労(栄養不足によるもの)
- 疲労物質の蓄積による疲労(乳酸や老廃物の影響)
- 脳疲労(精神的ストレスや集中力の低下)
では、それぞれの疲労と対処法を詳しく見ていきましょう。
1. 筋損傷による疲労
ランナーにとって最もわかりやすい疲労が、筋肉のダメージによる疲労です。筋肉痛や張りが強いと、動きがぎこちなくなり、パフォーマンスが低下します。
解決策:冷水浴とストレッチ
筋疲労の回復には、20℃以下の冷水浴が効果的です。特に15℃以下が推奨されていますが、体脂肪が少ないランナーであれば、20℃でも十分な回復効果が期待できます。
国内の銭湯や大浴場の冷水風呂は17〜20℃程度が多いため、練習後に銭湯に行くのもおすすめです。また、ストレッチを組み合わせることで、血流を促進し、回復をさらに早めることができます。
特に、太ももやふくらはぎなど、よく使う部位を重点的にケアしましょう。
2. 生体恒常性の乱れによる疲労
夏場に多く見られる疲労の一つが、体温調節の乱れによるものです。長時間のランニングや暑さにより深部体温が上昇し、睡眠の質が低下することで、翌日以降のパフォーマンスが下がります。
解決策:水分補給と体温調整
冬場は脱水のリスクが低いと思われがちですが、発汗量が少ない分、水分補給を意識しないと知らず知らずのうちに脱水状態になってしまいます。トレーニング前後にはしっかりと水分を摂り、特に高強度の練習では電解質も補給しましょう。
また、夏場は**冷却アイテム(アイスベストや冷却タオル)**を活用し、過度な体温上昇を防ぐのも有効です。
3. エネルギー枯渇による疲労
意外かもしれませんが、冬場に陥りやすいのがこのエネルギー枯渇による疲労です。寒さによりエネルギー消費が増加し、体重が減少することで、十分なエネルギーを確保できなくなります。
解決策:適切な食事摂取と補食
特に長距離を走るランナーは、練習後に体重1kgあたり1gの炭水化物とタンパク質を摂取することで、エネルギー枯渇を防げます。また、オフシーズンの体重増加を気にして食事を制限しすぎると、かえって調子を落とす原因になります。
長時間のランニングの際には、**補食(エネルギージェルやバナナなど)**を活用し、エネルギー不足を防ぎましょう。
4. 疲労物質の蓄積による疲労
レース前になると、気合が入りすぎてオーバートレーニングに陥るランナーも多いです。強度の高い練習や長時間のランニングを続けると、乳酸などの疲労物質が蓄積し、エネルギー供給の効率が低下します。
解決策:アクティブリカバリーと入浴
疲労物質を効率的に除去するには、30分以内の軽い運動(アクティブリカバリー)を取り入れるのが有効です。また、入浴によって血流を促進し、疲労回復を促しましょう。
5. 脳疲労
最後に見逃せないのが、脳の疲労です。トレーニングの強度が高まるだけでなく、日常のストレスや仕事の影響も脳疲労を引き起こします。
解決策:睡眠の質を向上させる
脳の疲労回復には質の高い睡眠が最も重要です。特に入浴後1時間ほど経つと深部体温が低下し、自然と眠くなるため、入眠の1時間前にお風呂から上がることを意識しましょう。また、夜ランをする人は交感神経が優位になりやすいので、軽く冷水を浴びるのも効果的です。
まとめ
「調子が悪いから休む」という選択肢を取ると、かえって調子を落としてしまうことがあります。特にランニングの頻度を落としすぎると、体の感覚が鈍くなり、不調が長引くことも。
大切なのは、自分がどの種類の疲労に陥っているのかを見極め、それに合ったリカバリーを行うことです。
シーズン後半戦に向けて、コンディションを整え、PB更新を目指していきましょう!
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