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4月にロングランは必要か?

今回は「4月にロングランは必要か?」というテーマを取り上げます。結論から申し上げますと、「4月にロングランは必要」です。しかし一方で、フルマラソンのレースが秋や冬にあるからといって、いきなり特異的なトレーニング――たとえば35キロや40キロのロング走、さらにはレースペースに近い強度での長距離走――をする必要があるかというと、必ずしもそうではありません。4月は、あくまで「基礎的な持久力を高めるためのロングラン」を実施することが大切になります。


目次

【1. ロングランとは何か】

まず「ロングラン」とは、フルマラソンの対策を見据えて行う長距離走のことです。具体的には「1回の走行で20キロ以上(理想を言えば25キロ以上)」を走る練習を指します。人によっては「LSD(Long Slow Distance)」や「ロングジョグ」などの呼び方をする場合もありますが、ここでは単純に「長い距離を一度に走る練習」と理解してください。

ロングランを行う意味は多岐にわたりますが、特に重要なのが「筋持久力の強化」と「代謝能力(脂質代謝能力、有酸素代謝能力)の向上」です。


【2. ロングランで鍛えられる要素】

(1) 筋持久力
マラソンは42.195キロという長い距離を走りきる競技です。後半に入ってくると、下半身が疲労によって思うように動かなくなる、いわゆる“脚が売り切れる”状態になりやすい。そこで、長い距離をまとめて走る「ロングラン」を行うことで、脚そのものに耐久力を蓄え、レース後半でもしっかり足が動く状態を作り出すことが可能になります。

もちろん、平日に合計距離を積み上げることも大切です。しかし、それだけでは「1回あたりの長い距離を走り続ける」筋持久力は十分に鍛えられない場合が多いのです。大きな負荷をかけてある程度の距離を“1度で走る”練習を入れることで、特にレース後半の脚づくりに効果が期待できます。

(2) 代謝能力(脂質代謝能力、有酸素代謝)
マラソンを走りきるためには、体内のエネルギー供給システムをうまく働かせる必要があります。運動エネルギーは主に「糖」と「脂質(体脂肪)」の両方を使ったハイブリッド方式でまかなわれているのですが、糖質だけに頼っていると途中でハンガーノック(極度のエネルギー不足)に陥ってしまう恐れがあります。

そこで重要になるのが「脂質代謝能力」です。これは体内に蓄えられた体脂肪をエネルギーとして使い、長時間運動を継続できる能力のことを指します。ロングランのように20キロ以上の距離を一定のペースで走り続けることで、身体は徐々に脂質をエネルギー源として効率よく使う方法を学習し、結果的に脂質代謝能力を向上させることができます。

さらに、脂質をエネルギー化する過程では酸素を使う「有酸素代謝」がカギを握ります。ここで特に重要なのが【ミトコンドリアの活性化によるエネルギー生産効率の上昇】です。ミトコンドリアとは、細胞内でエネルギーを生成する小器官で、有酸素代謝を支える主役といえます。普段のジョグやロング走、LSDなどの「低~中強度のトレーニング」を繰り返すことで、長距離を走ってもエネルギー切れが起きにくくなり、終盤の失速を防げるようになるのです。


【3. なぜ4月にロングランが必要か】

4月といえば、秋から冬に行われる大きな大会(フルマラソンレース)までは、まだ半年以上あるという方も多いでしょう。「そんなにレースが遠い時期に、わざわざロングランをやる必要があるの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。しかし、レースに直結した「特異的なトレーニング」はまだ先で良いものの、基礎的な持久力を育てる時期としてのロングランは、むしろこのタイミングが重要なのです。

具体的には、マラソン直前期に行うような35~40キロ走や、レースペースに近い強度で長時間走る練習は、今の段階では必須ではありません。むしろ、長く走るための土台ができていない状態でいきなり高負荷の練習をしてしまうと、疲労が抜けにくくなったり、ケガを誘発したりするリスクが高まります。

一方、4月は気候的にも走りやすいシーズン。特に暑くなる前で身体へのダメージが比較的少ないため、週末などに計画的にロングランを入れておくと、夏場にむやみに長距離走を詰め込まなくても済む可能性が高まります。いずれにしても「焦らず」「着実に」「段階を踏んで」持久力を伸ばしていくには、4月からのロングランはぜひ継続してほしいトレーニングとなります。


【4. 4月に行いたい具体的なロングラン例】

では、4月という時期にどのようなロングランを行えばよいのか、いくつかメニューを例示します。大事なのは「目的をはっきりさせてペースを設定する」ことです。

(1) やや速めの20~25キロ走
レースペース(目標となるフルマラソンのペース)よりも「15~20秒遅い」くらいのペースで走る練習です。これは中強度の走りになりますが、ある程度心肺に負荷をかけつつ、脚も長い時間使い続けるトレーニングです。心肺機能と筋持久力を同時に刺激できるため、4月段階のロングランとしては非常にバランスの取れたメニューといえるでしょう。

(2) ペースを遅めに設定した30キロ走
レースペースより1分ほど遅いペースで、30キロ前後をゆっくり走るメニューです。走る時間が長い分、脂質代謝能力をより高めやすいというメリットがあります。人によっては35キロに挑戦してもかまいませんが、あくまで「ペースを抑える」ことが条件です。キロあたりのペースが遅い分、「長時間走る」こと自体に慣れるための練習になります。

自分の体調やトレーニング計画との兼ね合いを見ながら、(1)のやや速め20~25キロ走と、(2)のゆっくり30キロ走を組み合わせて行うのがおすすめです。ある週はやや速めに20キロ走り、別の週あるいは隔週でゆっくり30キロをこなすなど、メリハリをつけて続けていくことで、いざ本格的なマラソントレーニングに移行する際の下地ができあがります。


【5. レース期に向けた最終目標】

最終的に、秋や冬のレース期が近づいてきた段階で、レースペースより15秒程度遅いペースで35~40キロ走を行い、フルマラソンを意識した“特異的なトレーニング”に入るのが理想です。それを成功させるために、4月からコツコツとロングランを重ね、身体に「長い時間走り続けること」を覚えこませておきましょう。

こうした準備を怠ると、いざレース前の重要な時期に急激に走行距離を増やさなければならなくなり、オーバートレーニングに陥ってしまったり、故障のリスクが一気に高まったりします。トレーニングは継続こそが力になります。たとえ週一回、あるいは隔週でも構いませんので、計画的にロングランを取り入れ、少しずつ走れる距離・ペースを積み重ねていってください。


【6. ロングランを行う際の注意点】

(1) 疲労管理
ロングランは身体への負荷が大きいため、翌日や翌々日にかけて疲労が溜まりやすいです。特に関節や筋肉へのダメージは少なくありません。ロングランの翌日は、ゆっくりとしたジョグやウォーキング、あるいは完全休養日を設定し、疲労回復に努めましょう。

(2) 補給戦略
エネルギー補給を全くしない状態で長距離を走ると、かえってオーバーダメージになってしまい、免疫力が低下したり、回復に時間がかかったりする場合があります。特に20キロ以上走るときは、補給食や飲み物などをあらかじめ用意し、脱水・低血糖を避けるようにしてください。ただし、脂質代謝を鍛えたいという理由で“あえて補給しない”練習をすることもありますが、これは経験値が高く、身体の状態を見極められるランナー向きです。初心者や中級者は安全第一で補給を考えましょう。

(3) ペース配分
ロングランでは、最初の5キロ~10キロでペースを守り、後半やや落ちてきても目標ペースから大きく外れないように走ることが理想です。あまりにも速いペースで入ってしまうと、後半で失速し、結果的にトレーニングの質が下がります。「やや物足りない」くらいの入りが適切だと言われています。


【7. まとめ:4月からロングランを週一または隔週で継続しよう】

ここまでお話ししてきたように、ロングランは「筋持久力」「脂質代謝能力」「有酸素代謝能力」など、マラソンにおいて極めて重要な基礎的能力を底上げしてくれます。レースシーズンから遠い4月の時期こそ、焦らずに週一回、もしくは隔週のペースでしっかり長距離を踏んでいくことで、秋~冬のマラソンシーズンに向けた強固な土台が築けるのです。

最終的には、レース前に特異的なトレーニング(35キロ以上の走など)を積み上げることで、マラソン後半でも余力を残せる走りに近づきます。しかし、いきなり本番さながらの距離やペースで走るのは、故障や疲労のリスクが高く、効率的ではありません。逆に言えば、4月からコツコツとロングランを行っておけば、段階的に距離やペースを上げていくことができ、結果的に安全かつ確実に力を伸ばせます。

「マラソンの記録を上げたい」「初フルを完走したい」「もう少し楽に42.195キロを走りきりたい」と考えている方は、ぜひ4月のうちからロングランを取り入れてみてください。少し速めの20~25キロ走か、ペースを落とした30キロ以上のロング走のいずれか、あるいは両方を織り交ぜる形でもOKです。自分の体調やレベルに合わせてメニューを組み、ケガなく継続することが最も大切です。

今後も、基礎的なトレーニングを重ねつつ、秋・冬が近づいたら本格的なレースペース走やタイムトライアルを追加して、仕上げに入っていきましょう。そうすれば、きっと自己ベスト更新や目標達成に近づくはずです。


【エンディング】

以上、4月の段階からロングランを行う重要性について解説いたしました。春先からしっかり走り込んでおくと、夏場の暑さで思うように走れない時期にも焦らずトレーニングが続けられますし、秋や冬に向けて自然と走力が高めやすくなります。ぜひ週末や休みの日に計画を立てて、無理なく持続的にロングランを実施してみてください。

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